Train Of Thought – 能勢伊勢雄

「信念と呪い」に直面する世界

ウクライナ問題の背後にある思想的問題を明確化しなければロシアの暴挙は見えてこない。プーチン大統領に影響を与えたアレクサンドル・ドゥーギンという思想家がいる。彼のインタビューがYouTube上に挙がっているので参考にして欲しい(https://www.youtube.com/watch?v=G9r4xoyzkoU)。内容をかいつまんで言えば、ポストモダンを我田引水し、中心イデオロギーを無化して、ヴィトゲン・シュタインの論理学を利用し、中心イデオロギー無きあとは個々人の「解釈」こそが「真理」だとする詭弁に基づいた「信念」に至るロジックである。しかし、世界から批判され受け入れられなかったプーチン大統領の「信念」はたやすく「呪い」に転ずる。このような「信念と呪い」が支配する世界に我々は直面している。
これに対抗するには、第二次世界大戦直前に当時の文化人やアーチストが迫り来るファシズムに対抗した「コントル=アタック」のような活動が必要となる。「ファシズムの狂気を超えた狂気=シュル・ファシズム」で対抗した音楽やアートレジスタンスであった。
現代ロシアの若い世代に人気がある小説家でありラップ・ミュージシャンのザハール・プリレーピン。ドゥーギンの思想を体現するBarbarossa UmtrunkやTszidmz…などのマーシャル・インダストリアル・バンド。そしてHeavy Metalに近いネオ・フォーク系のペーガン・バンド…などの音楽を総点検し、ロシア世界のみを肯定するルスキー・ミール的なかってのロシア連邦を復権しようとする衝動が背後にある。
これらの音楽を超えていく「コントル=アタック」を音楽から総反撃する必要がある。
現代ロシア思想、つまり、リベラリズム(自由・個人主義)から共産主義、ファシズムを乗り越えた「第四の政治理論」が総てを乗り越えるという強い「信念」にHardcore Musicで応えてやろうではないか!!!!!

岡山PEPPERLAND 能勢伊勢雄

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