Train Of Thought – 柚香

荒井柚香 (SYSTEMATIC DEATH(Ba.) / 六根(Gt./Vo.)

核兵器禁止条約が、50か国の批准を達成し発効されました。
核兵器の残酷さを認識し撤廃しようとする流れが少しずつ広まっているのは明るい事である一方、保有国が「実効性・現実性がない」と不参加であるのは、問題を正面から捉えずに解決への道を閉ざしてしまっているようで残念に思います。

唯一の被爆国である日本が批准していない事について、戦後積み重ねてきた他国との関係性や所有国からの攻撃回避等、単純には判断できない事情があるのは分かります。
しかし本来であれば、そのハードルをどうしたら乗り越えられるのかを一番に考え、変化を促していく立場にあるべきではないかと思います。

なにかしらの事柄を動かすには様々な組織が関わり合いそれぞれの役割を果たし合うことが必要、というのは、仕事やバンド活動など身近な事にも言えます。しかし、大きな規模で依存関係を作りすぎると間違いがあった時に後戻りできなくなるという事は、ここ一年の世の中の流れで多くの人が感じた事ではないでしょうか。倫理的な見方よりも一部の枠組みの中の利害関係が重視されるという事が、実際に私達の生活に影響を及ぼし続けています。

本質からそれた事情が物事を決める軸になるという状況を食い止めるには、条約によって理想を言葉で表す事、それを多くの人が共有し議論し合う事は意義があると思います。

今回の寄稿のお話を頂くまで、正直私は核兵器禁止条約について詳しい事を分かっていませんでした。この機会に改めて核兵器所有に関する現状を学び世の中の情勢について考え、平和は当たり前に保たれるものではないという事を痛感しました。
そんな私が寄稿してよいものだろうかと最初は少し迷いましたが、大きな課題であるからこそ、知識が浅いからと口をつぐむよりも知る努力をして考えを話す方が大切であると考えました。
原爆投下から時が経つほど、当時の状況をリアルに捉えることが難しくなっていくことと思います。生きている世代が主体的に恐ろしさを知り学ぶ事、臆せず議論をする事が、惨事を繰り返さない事に繋がるのではないでしょうか。

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