Train Of Thought – 溝口徹

溝口徹 / 横川シネマ

いきなり脱線するけど。ともに可決されてしまった、広島市の平和推進基本条例と、国の土地利用規制法って、思いつきとしては同根じゃねーの?と思ってる。他者を制することに拘泥して、自分を律することを忘れている感じが、いかにもしょぼい。号令をかけたい奴とかけられたい奴の共依存で視野狭窄に陥っている感じの世間。そのしょぼさを体現している。
詳しくないけど、核兵器禁止条約は、その対極なのかなと考えたりする。条約の法的な力が核軍拡を抑止しうるという価値もあるのかもだけど、それ以上に、批准するという意思表示に希望がある。過去から学び、未来への礎を築くためのメッセージがある。連帯もある。で、残念ながら、その裏返しに自分たちの社会の今がある。
昨年のコロナ禍にあって、映画人有志が「ミニシアターエイド基金」を立ち上げ、全国から大きな支援が集まった。その共助の取り組みには「皆で、この苦境を乗り越える」というメッセージがあった。支援金は辞退したけれど、むしろ分断を生み出すような場当たり的な公助の政治利用に呆れていた分、その真っ直ぐなメッセージには奮起を促された(それも十分に支援と呼べるものだ)。あれから、コロナ禍が深刻化するたび、行政の補償なき営業自粛の号令が、いちいち自助や共助に水を差してくる。つきあうの、めんどくさい。この一年ちょっと、自助や共助を通して生まれた変化を感じている分だ
け、号令うっとおしい。って思う。

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