Train Of Thought – Mukachin

MUKA-CHIN / SLIP HEAD BUTT / DEATH SIDE / ライブハウス EARTHDOM 代表

 

広島市内には川がたくさんあり、僕の通っていた神崎小学校の側には本川という河川。その川沿いを徒歩で15分くらいかな?チャリンコだと5分もかからない、ウチから近所の原爆ドームと平和公園は割と近所の遊び場で、その傍らに流れる本川と元安川の雁木(船着き場)には特に暗くなるまで友達とよく一緒にいた。
川岸で遊んでいると、小さいスコップを使って何やら砂を掻き出しては集めている高校生くらいから大人の集団を見かけるようになり、いつの間にかその作業を手伝うようになった。元安川の底に沈んだ遺物を拾い集める作業である。主に原爆で吹っ飛んだ瓦屋根の残骸を拾って集める。

勿論、広島市内の中心部の小学校なので平和教育も盛んだった筈だが、学校でのお話は少し退屈だったのが正直なところ。

しかし、放課後に川へ行き、拾い物を集めて、大人の先生?のような人へ渡すとアレコレと原爆瓦についていろいろと教えてくれるのである。教室で授業のような平和教育と違った感じもあり、なんだか子ども心に打ち付けられた。

そのような経験に加えて、ウチの町内には原爆養護ホームの「舟入むつみ園」という施設があり、小学生時代の放課後は入所者の爺さんや婆さんと話す機会が沢山あったが、原爆の話を積極的にお話してくれる方と、全くそれに関しては話さない、人によってはそんな戦争の時の話をしないでくれと激昂する爺さまもいた。

その時に始めて知ったのである。語れない体験した人が居ることを。その語れない程の内容とは何なのだろう?語らずとも将来、理解してくれ。と表してくれた気がする。


幼少期の思い出で話が逸れた。
テーマは「核兵器禁止条約」だった。
情けないことに我が国、日本は署名も批准もせず。理由は主にこの2点のようだ。
①日本は核廃絶を長期的な目標に据えているわけなんだけど、使用や保有を禁止するということになると核の傘の下にいる、この核の傘を万全にすることが難しくなる。
②法的拘束力を持った枠組みをつくって核保有国を批判するということになると、保有国と非保有国の溝を深めてしまって、実質的な核軍縮の対話が先に進まない。


国際社会は、 核兵器の使用を容認しない姿勢を強く示している。
実際に1945年の広島と長崎への原爆投下以来、核兵器は使用されていない。
核兵器禁止条約の発効は重大な成果であり、明確な基準となる筈だけれども、核保有国はいずれもこの条約に署名せず。
条約は署名しなかった国にとって何を意味するのか?

「核兵器のない世界」の実現に向けて。

語らずとも何か考えさせてくれた、40年程前に会ってた、舟入むつみ園の爺さんを思い出した。

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