I STILL BELIEVE WHAT PUNK ISMINORITY WHO UNDERSTAND WHATPAIN IS. -Takeshi Evolstak(NO/Grist)

つい先日のこと、To Future を主催している広島のガイさんから連絡をもらいました。詳しい内容は省略させてもらいますが、入管法改悪についてTo Future Zine に寄稿してもらえないかとのこと。俺は様々なことに疑問を持つ 1 人のパンクなんだけど、この入管法改悪についての知識が凄くあるわけではありません。でも、この問題をスルーすることなど全く出来ません。なぜなら、間違っているからです。間違っていることに対してNO の声を上げないことは、俺にとって間違った行動です。だから、今現在の自分の思いについて書かせてもらいます。これを読んだ人の何かのきっかけになれば嬉しいです。

最初に俺自身のことについて軽く触れさせてもらいますね。
俺は愛知県在住のパンクです。NŌというパンク・バンドをやっています。先週末にちょうど東京へライヴをしに行ってきました。そのライヴでも最初に入管法改悪について触れさせてもらいました。
今の俺にとって重要な問題の一つなので。それから、Grist というジンを何人かの人たちと共にやっています。Grist に関わっている人たちはパンクの方が多いですが、パンクという音楽についてのジンではありません。様々なメッセージが寄稿者によって込められたジンです。今のところの最新号である Vol.4 では、入管法改悪に対して様々な抗議活動をしているグループ、#FREEUSHIKU の長島結さんも寄稿者の 1 人となっています。興味のある方は一度手にとって読んでもらえると嬉しいです。

では本題に入らせてもらいますね。
先ず初めに難民とは???難民とは、対外戦争、民族、紛争、人種差別、宗教的迫害、思想的弾圧、政治的迫害、経済的困窮、自然災害、飢餓、伝染病などの理由によって、国境を越えて庇護を求めて外国へ逃避した人々。母国を自分の意志で離れた、又は強制的に追われた人々を指します。
庇護とは相手をかばって守ることを意味します。
特に弱い立場の人をかばって守ることを。難民とは、様々な理由によって母国を逃れ、救いを求めて他国へ逃れて来た人たちのことです。


母国で反体制の活動を続けて捕まり拷問を受け、命の危険を感じて逃れて来た人たち、同性愛者であるという理由で迫害され、命の危険を感じて逃れて来た人たち。理由は様々です。でも、誰もがそのまま母国に留まれば命を奪われかねないと思っていたんじゃない???そして日本に来れば助かるって。でも、現実は違った。難民申請をしても受け入れてもらえず入管に収容。そこでも母国と同じように酷い扱いを受けることに。あと、みんなもニュースなんかで目にしてるだろうけど、泥酔状態で診察とは呼べない診察をしていた医師がいたりとかね。ほんと入管施設自体が酷いもんなんだよ。実際に何人の人たちが入管で命を奪われたんだろう???彼 / 彼女たちに安全な場所はないの???いや、他の国に逃れた人たちは違った。1 人はドイツに、1 人は日本に逃れて来た兄弟がいた。ドイツに逃れた 1 人は難民として認められ、職を得て、結婚をして幸せな生活を送っている。じゃあ、日本に逃れて来た 1 人は???難民申請をしても認められず、結果、入管に収容。仮放免で外に出られた???全ての権利を奪われてね。これはあくまで一例でしかなく、例えばカナダ、移民に厳しいと言われているフランスなどでさえも、日本とそれ以外の国では難民認定や、逃れた先の国で市民として生活できる権利の得られ方が大きく違う。


俺はパンクに対しての知識はあるけど、それ以外のことに関しては全くそうでもない。賢くもないしね。だから完璧な説明は出来ない。でも、仮放免で入管の外に出られたからといって、自由なんてこれっぽっちも与えられていないのはわかる。
彼 / 彼女たちにはあらゆる権利が認められない。仕事をすることも認められない、保険証すら与えられない。これってどういう意味かわかるよね???生きるために絶対に必要なお金を自らの力で得ることが出来ないんだよ。病気になって病院に行くことすら困難なんだよ。俺は日本で生まれた日本人。生きるために仕事をするという当たり前の権利を持っている。保険証も持ってるから病気になれば気軽に病院にも行ける。こんな当たり前の権利すら認められない人たちがいるんだよ。
みんなが暮らしてるこの日本で。あと、彼 / 彼女たちに子供がいたとする。その子供たちも保険証を持つことを認められない。それだけではなく、教育の機会も奪われる。在留資格のない子供たちは高校以上の進学ってことになると受け入れる学校が極めて少ない。これは地域にもよるんだけど、小中学校の義務教育の案内が来ないなんてことも。その他にもすごくいろんな困難と直面し続けているんだよ。どう思う???どうすればいい???


彼 / 彼女たちを守るために多くの支援者が生活を支えている。彼 / 彼女たちのために無料で診察を行なっている医師がいる。いやいや、最初に言ったように、難民の人たちは様々な理由があって母国を逃れて、この国に救いを求めてやってきたんだよ。難民として認めれば、在留許可を与えれば済むことじゃん。そうすればみんなと同じように当たり前の権利を持って生活が出来るじゃん。それをこの国は認めようとしない、良しとしない。
狂ってるよね。他の国との難民認定率比べれば異常だって一目瞭然でしょ???イギリスなんて認定率 60% 超え、カナダでもほぼ 60%、アメリカでも 40% 超えてる。じゃあ日本は??? 1% にも満たないんだよ。どう考えてもおかしいじゃんね。そんな日本がまたしても狂った法案を可決してしまった、それがこの入管法改定案。この入管法改悪案にはいろんな凶悪な改悪が盛り込まれているんだけど、俺が注目している項目はこれ。3回目の難民申請で許可が下りなければ強制送還の
対象になる。難民認定率が 1% にも満たないこの国でね。みんなはどう思う???これって間違ってない???先にも言ったけど、母国に帰ることになったら命を奪われるかも知れないんだよ。日本はこんなことを法の名の下に行おうとしてるんだよ。こんなこと無視出来る???俺は出来ないよ。出来ないから何をしてるのかって???だから、ここで俺の思いを書いている。声をあげたいんだよ。みんなにも知ってほしいし、考えてほしいんだよ。声をあげて何になるのかって???確
かにこの法案はこの前可決してしまった。だけど、実際に施行されるのは 1 年後。そう、今からでもこの狂った法案をその声で廃案に出来るかも知れないんだよ。いや、廃案に出来るって信じてる。


何度も言うけど、だから俺は声をあげる、そして自分の意思を提示しプラカードを持って街に立つ。
今も入管法改悪に反対する人たちが日本各地で様々な抗議活動を行なってるよ。この原稿を書いてる時点ですでに 150 ヵ所以上で抗議活動が起こっている。この抗議活動がもっともっと広がれば変えられるよ。だから、みんなもおかしいと思ったら声をあげようよ。やり方なんていくらでもある。いまの世の中は SNS なんて便利なものがあって、誰でもスマホ 1 つで声をあげることが出来るし、意思表示も出来る。友人と飲む機会があれば、そんな話題を出してみるのもいい。SNS で # 入管法改悪と検索してみれば様々な情報が手に入る。
自分の街で抗議活動が行われるのを知ったら参加してみるのもいい。抗議活動に参加することは難しいことでも何でもない。その場に立って心の中で叫んでいてもいい、自分の思いを書いたプラカードを持って立っていてもいい。メッセージの書かれた T シャツを着て立っているだけでも立派な意思表示だ。個人的な考えなんだけど、日本人は自ら意思表示をすることが苦手???自主性が足りないのかな???これは右に倣えの学校教育のせいなのかなと思う。

少し話が変わるけど、この自主性云々について書かせてもらいますね。俺は元々集団行動が苦手で、あくまで『個』でいたいタイプ。初めて抗議活動に参加したのはそんなに昔のことではなくて、安倍政権に反対するデモだったと思う。当時はこの安倍政権に対してムカついてて、間違ってるし、このままじゃヤバいと思ってて。そんな時に安倍政権に反対するデモがあると知って、早速プラカードを作って 1 人で街に向かった。ここからだと思う。街に出て意思表示しようと思ったのは。この時に思い出したのがイギリスに住んでた頃のこと。俺は 90 年の頭に 1 年間だけイギリスに住んでいたんだけど、みんなポール・タックス・ライオットって知ってる??? Poll Tax っていうのは人頭税。簡単に言うと所得なんか関係なしに 1 人ごとに均等に課せられる税金。エリート / 上流階級のお金持ちだろうが、失業手当でスクワット (不法占拠 ) して生活していようが同じ税金が課せられる。これに対して、ふざけんな!ってなって街でデモが起こって、それが暴動にまで発展したのね。みんな個々に街に出て反対の声をあげて、それでも変わらないから石を投げて暴動になった。なんでそこまでいくのかっていうと、個々が怒って街に出たからなんだよね。誰かに言われたからでもなくみんな自分で決めた。だからそこまでいくんだと思う。結果的にこの人頭税は廃止された。暴動を起こせとか言ってるんじゃないけど、日本人も怒りを爆発させればいいのにって思う。あと、とにかく意思表示。これって大事なんだよ。イギリスに住んでた時、街角でも駅でも “Anti Poll Tax” の落書きや、壁のいたるところに貼られたステッカーを目にしたよ。それと、今でもすんごい印象に残ってるのが、ある駅で見かけたおばあちゃん。そのおばあちゃんが “Anti-Poll Tax!” ってデカデカと描かれた T シャツを着ててむっちゃカッコよかった!なんか、意思表示ってことになるとそのおばあちゃんを思い出すんだよね、自分の意思を提示しろ!って。


また話を戻すけど、こうやって、みんながいろんなところで声をあげて、国が敗北を認めたらすごいことじゃん。それは声をあげれば権力側だって変えられるってことの証明にもなるし、今後に繋がっていくと思うよ。だから、俺は行動に移してる。
一人一人の力なんて微力かも知れない。でも、その小さな力が集まればデカい力になるんだよ。俺はそう思ってる。なんか話がまとまらなくなって来てるんだけど、絶対に諦めるなってこと。皆が平等に扱われる時が訪れるまで。人の命がかかってることなんだから。


今に始まったことじゃないけど、日本ってマジにヤバくない???最近、特に思うのが少数派の排除。多数派が少数派を排除しようとしてる。先に言ったように、これは今に始まったことじゃないけど、それを堂々と行なってる。権力側が堂々と行なっている。それに対して疑問を持つ人は沢山いる。でも、疑問を持たずに知らぬ間にそんな多数派 / 権力側に踊らされ、少数派の排除に加担している人を目にすることが多々ある。俺の周りにだっている。公の場で当たり前のように発言をしている人もいる。それがいかにヤバいことかって気付いてほしいよ。俺は、パンクって、少数派の集まりだって、今でも信じたいんだよね … 。


最後に、俺の歌ってるパンク・バンド NŌ のレコードに載せたメッセージを記して終わりにしたいと思います。
あなたにとってのパンクとは何ですか?音楽ですか?ファッションですか?それとも ” 悪く ” なることですか?私にとってのパンクとは : 自分自身で考えることです。周りを見渡してみてください。そこには様々な問題があります。それらの問題を無視することが出来ますか?私には出来ません。私はそれらのことを無視して生きていくことは出来ません。私はパンク ロックから様々なことを学びました。あなたに私の声を聞いてほしいのです。
それが私がここで叫ぶ理由です。パンクは政治的であるべきです。パンクはメッセージです。あなたに私の声を聞いてほしいのです。だから、私はここで叫びます。
LOOK AT, LISTEN TO, KNOW ABOUT,
THINK ABOUT,
周りを見渡せば、 毎日のように様々なことが起こっている。 何事からも目を逸らさず、耳を傾け、何が起こっているのかを知り、そして考える。その後どこへ進むのかはあなた次第です。
NEXT STEP, IT’S UP TO YOU.
そう、あなた次第です。
PS. 今回の記事を書くにあたり相談に乗ってくれた結さん、いつも俺のおかしな日本語を正してくれるチヒロ、写真を提供してくれたまやさんとじつざいさん、そして、俺にこの発信の場を与えくれたガイさん、ありがとうございました。
パンクはメッセージだ。

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